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婦人科疾患

婦人科疾患 卵巣のう腫

沈黙の臓器、卵巣
腫瘍ができていても自覚症状がほとんどありません。

卵巣は、子宮の左右に一つずつあり、親指の先ほどの大きさの楕円形の臓器です。
別名、「沈黙の臓器」と言われ、腫瘍ができた場合でも、自覚症状を伴うものは少なく、 よほど大きくなってから気づくか、検診や他の目的で検査を行った際に、偶然発見される事が少なくありません。卵巣は、細胞分裂が活発で、腫瘍ができやすい臓器です。

卵巣腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。

卵巣のう腫

卵巣腫瘍の中で、卵巣の一部にできた袋状の腫瘍内に内容物が溜まるものを卵巣のう腫と言います。
多くのものは良性ですが、卵巣がんとの鑑別が重要です。

卵巣のう腫の4つのタイプ

溜まった内容物によって以下のタイプに分けられます。

皮様のう腫(類皮のう腫・奇形腫) 髪の毛や骨、歯、脂肪などが溜まった腫瘍。卵巣には卵子の元があり、この起源細胞が増殖し、成長ホルモンによって 発育してしまったものです。
超音波検査などで、特徴的所見を示し、大きさが小さく、若い方の場合は、注意深く経過観察とする場合もありますが、多くの場合は、手術で摘除する治療法が選択されます。
チョコレートのう腫(内膜症性のう腫) 子宮内膜症に見られる病型の1つ。
子宮内膜で起こるのと同じ現象(内膜組織の増殖と出血)が、卵巣で起こり、卵巣組織内にチョコレート状の液体が貯留したものです。
やはり、超音波像が特徴的であり、若い女性で生理痛が強いという理由で受診された方に、時々発見されます。
放置すると徐々に増大するものがあり、妊娠を含めた管理(薬物治療も)が 望ましいと考えられています。
単純性のう腫 卵巣の中に水が溜まる腫瘍です。
若い女性に多く見られ、多くのものは良性ですが、一定の大きさを超えると手術適応となります。
経過観察の場合は、卵巣がんとの鑑別を慎重に行うことが必要です。
機能性のう腫 正常な女性の生理周期では、排卵期には、「卵胞」という卵子を入れた袋が徐々に大きくなり、卵胞が破れて卵子が飛び出し排卵となるのですが、機能性のう腫の場合、卵胞が破裂せずに、卵子がそのまま残り、排卵が起きません。
この、「途中の卵胞」を単純性のう腫などと区別する場合、経時的に経過を観察する必要があります。

よくあるご質問

子宮筋腫や卵巣のう腫には、どのような症状があるのでしょうか?
子宮筋腫の一般的症状は、過多月経、生理痛、下腹部腫瘤などですが、症状が軽かったり、症状のないものも多いと考えられています。
一方、卵巣のう腫は、軽度の下腹部痛が多く(卵巣茎捻転の場合は、激しい痛みもあります)、気付かれないケースが多いです。
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