年齢による女性ホルモンの作用と身体の変化
女性ホルモンの作用 | 身体の変化 | |
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小児期 (0~8歳ごろ) |
性ホルモンは休眠中 卵胞ホルモンが徐々に増える |
内性器の発育は停止している状態 |
思春期 (8~18歳ごろ) |
第二次性徴期 卵巣の機能が目覚める |
卵胞ホルモンによって、 丸みを帯びた女性らしい体つきになってきます |
性成熟期 (18~45歳ごろ) |
排卵が規則的になり、ホルモン分泌のリズムも整う 30代後半から卵胞ホルモンが減少しはじめる |
20歳前後で生殖機能が完成、 活発になる25歳前後でピークに |
更年期 (45~60歳ごろ) |
卵胞ホルモン(エストロゲン) が急激に減少排卵や月経が止まる |
50歳前後で閉経になり、 更年期による不快な症状が現れやすくなる |
老年期 (60歳ごろ〜) |
卵胞ホルモンが停止 | 卵巣の機能が終了 |
思春期の生理異常
思春期は、女性ホルモンの分泌がだんだん増え、心身ともに大きく変化する時期です。
この時期に多くの女性が初潮を迎えますが、まだ発達途中のため、生理痛や生理不順、無月経など生理に関するトラブルが起きやすい時期でもあります。
少しでも気になる症状があれば、一度、お母様とともにご来院下さい。内診などは特に行わず、お腹のエコー検査と血液検査(ホルモン値など)を行い、診断の上、治療法を ご提案させて頂きます。
無月経には、原発性無月経(18歳を過ぎても初経がない)と続発性無月経(3か月以上、生理がない)が、あります。
原因としては、卵巣の異常、脳の異常、子宮・膣の異常などがあります。
診断には、一般的な子宮・卵巣の確認検査とホルモン検査など行い、必要な場合には、MRI検査や染色体検査なども行います。
治療法は、原因によって大きく異なり、先天的なものには対症療法を行ったり、続発性無月経には、ホルモン剤治療を行ったりします。
更年期
閉経の前後5年間を、更年期と言います。
この時期は、女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰え始め、女性ホルモンの分泌が減少していきます。
こうしたホルモンの変化に体が順応できずに現れる不快な症状を、更年期障害と言います。
更年期障害の症状
手足の冷え、上半身のノボセ、イライラ、肩こり、腰痛、口の中の渇き、肌のかゆみ、生理不順、疲労倦怠感、トイレが近い、腟や尿道がヒリヒリする、性交痛なども多い症状です。
更年期障害の治療法
症状に合わせた薬物治療(漢方薬、ホルモン剤、精神安定剤など)を行います。
また、当院では尿漏れなどに対しても、お話を伺った上で、お薬などで症状を緩和させるよう治療を行っています。
早期閉経
日本人の場合、平均50歳前後に閉経するとされていますが、それよりももっと早く、43歳未満で閉経する場合を「早期閉経」と言います。
原因は不明の場合が多いのですが、染色体異常や、放射線や薬物の影響や、自己免疫疾患が原因の場合もあります。
一般的な婦人科診療に加えて、ホルモン検査を行い、卵胞ホルモン低下とFSH(卵胞刺激ホルモン)上昇などにより診断します。
治療は、ホルモン補充が中心となります。自然に卵巣機能(排卵を含む)が回復する事は、ごくまれであると言われています。